魚叩き そして反射の限界へ...|休閒線上App不用買

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季節も初夏を迎え、斉藤家は琵琶湖へと車を走らせていた。

「今回も大物が釣れるといいな。崇。」

「そうだね!パパ。

 きっとパパが新しくルアーを作ってくれたから去年より大きいのが釣れるよ!!!」

そう。

斉藤家は一家でバス釣りを趣味としていた。

妻の好子はこの日のためにダイワの撥水ベストを新調したほどだ。

やはり女性はリールや竿などよりウェアに興味があるらしい。

健一はそんな妻を、なんとも女性らしく35年連れ添ってきたが改めて愛らしいと思っていた。

普段とは少し違った会話を楽しみながら車を走らせ、東京からおおよそ6時間。

いよいよ大津インターチェンジに到着した。

ここからはレンタルボートを借りる予定のお店までそこまで時間はかからない。

健一は都会の喧騒から離れ、一時の休暇を楽しんでいる自分に陶酔感を感じていた。

「なんて僕は幸せなんだろう。」

自然と呟いてしまいハッとした。

幸い、妻と子供は寝てしまっていたらしい。

琵琶湖についてまず、釣りをするために夜更けに家を出てきたのだから当然だ。

レンタルボート屋「湖上の煙」に到着して受付や説明を済ませる。

東京育ちの健一には店主の訛はきつく、半分くらい聞き取れずにいたが、にこにこと愛想の良い好感の持てる男だ。

説明を済ませ、車に戻ると好子と崇は目を覚まし、バス釣りの準備を始めていた。

「おつかれさま。健一さん。

 起こしてくれればよかったのに。」

「すまない。

 よく寝ていたようだったから。

 準備は終わったみたいだね。

 早速、湖に向かおう。」

今回チャーターしたボートは20馬力 定員3名のエンジン船だ。

少し狭いが家族三人ならこの位が丁度良い。

なにより小さめのボートのほうがバス釣りをしている雰囲気がでて健一は気に入っていた。

健一は慣れた手つきでエンジンを始動させると、早速バスの集まっていそうな場所を探し始める。

「この辺りがいいかな...」

水草が茂った場所の横にボートをつける。

「パパ。

 あの水草の辺りに投げればいいんだよね?」

「そうだな。

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 バスは物陰に隠れている事が多いからな。」

「今日は誰が一番大きいのを釣るかな。

 やっぱり崇くんかなー。」

そんなやり取りを交わしつつバス釣りを楽しんでいると最初の異変が起きた。

湖面に琵琶湖に生息しているとは思えない巨大な魚影が写ったのだ。

幸い、それぞれが背を向けるようにしていた三人のうち、健一のみがそれを確認できる向きであったため、他の二人には混乱はない。

淡水魚で最大と言われるピラルクと同じくらいの大きさ。

2 m~3 m位はゆうに超えている、その魚影を推測できる材料は健一には無かった。

だが、次の瞬間、魚影の正体は判別する。

その魚影は勢い良く跳ね、ボートに体当たりをしてきたのだ。

「ま、ま、まぐろ!?

 しかもクロマグロじゃないか!?」

そう。

健一の言うとおりそれはクロマグロであった。

健一が驚くのも無理は無い。

海水魚であるマグロが琵琶湖にいる事など本来ありえないことなのだ。

しかもクロマグロの中で最大種タイセイヨウクロマグロである。

タイセイヨウクロマグロは最大で全長4.5 m・体重680 kgを超えた記録があり、最大泳動速度は約90 km/h(50ノット)に及ぶ。

そんなものがボートに体当たりをしてきたのだから反動は言わずもがな半端ではない。

「グガガゴアアアン」

今までに聞いたことのない音を立ててボートは揺れた。

「ジョボン」

何かが湖面に落ちた。

最悪の想像が健一の頭をよぎる。

健一はボートを見回した。

好子はボートの縁に掴まり蹲っている。

「崇がいない!!!!!」

慌てて水面を見回すと崇らしき影がさっきとは違う魚影に引きづられている。

健一はとっさに湖に飛び込んだ。

「今度は鮭だ!!!

 しかもデカイぞ!!!!

 産卵期は淡水に来るとはいえ、なぜ琵琶湖に!?」

崇を助けるために鮭を追おうとすると自身も何かに引きずられた。

「なんだこの緑のデカイのは!!!!

 こんなの赤道付近の海の映像でしか見たことがない!!!!」

健一は決死の力を振り絞り緑の魚の目を親指でついた。

緑の魚は一瞬怯み、何とか引き離せたが崇の姿は見えなくなっていた。

「崇...

 そうだ!好子は?」

ボートに戻ると好子は跳ねてきたイカの群れを必死に湖面に投げ捨てていた。

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イカには鋭い嘴(クチバシ)がありそれで噛まれているようだった。

「好子!大丈夫か?

 ボートのエンジンをつけろ!!」

「健一さん!

 わかったわ!!!」

好子は始動機のスターターを勢い良く引っ張るがエンジンはかからない。

どうやらイカがプロペラに絡みついていて上手くいかないようだ。

「俺がプロペラのイカを剥がす!

 そしたら君はそのまま岸を目指すんだ!!!」

「いやよ!

 貴方はどうするの?」

「一番最初の揺れの原因はクロマグロだった。

 おそらくまたこのボートを狙うだろう。

 そうさせないためには僕がクロマグロの足止めをしなくてはいけない。

 だから君はいくんだ。」

そう言って健一はまた湖に消えていった。

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それから三年後。

琵琶湖の畔には好子の姿が。

その姿の昔の面影は無い。

好子はこの三年の間、魚を撲殺することだけを考え生きてきたのだ。

ありとあらゆる苦痛を与え魚を殺す術だけを覚え生きてきたのだ。

その結果、好子は現在こう呼ばれている。

「魚叩き」

今、好子と魚たちの因縁の戦いが始まる。

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遊び方♪

飛んでくる魚達と同じ色のボタンを押してね!

50匹叩くと終了だよ!

魚は中心に来る前に叩いても色があっていれば次の魚が出てくるよ!

うまくいくとビュンビュン飛んでって気持ちがいい♪

世界ランキングで世界の強豪達とタイムを競うもよし、自己ベストを更新するもよし。

楽しみ方は色々!

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暇つぶしにもなるし反射神経を鍛えるのもOK♪

もちろんストレス解消に一心不乱に魚をぶっ叩くのも気持ちいい!!

反射神経の限界に挑戦だ!

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