ライトノベル羅生門 -evils gate-|書籍線上App不用買

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大正文壇の鬼才 芥川龍之介の名作、羅生門を挿絵付きでライトノベル化!!

「羅生門 -evils gate-」

ー刮目せよ 生きるための悪の連鎖ー

せわしく雨音の響く中、羅生門の楼へと上がる幅広の梯子の中ほどに、一人の男が身を縮めていた。

男――下人は、梯子の尽きた先、楼閣の中へそろりと顔を差し入れて、中の様子をうかがっていた。その視線の先、かすかな火灯りの中でうごめく人影を、目を見開いて睨み-

つけていた。

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楼閣には、鼻を覆わずにはいられない腐臭が充満していた。それというのも、楼閣には数える気にもならぬほどの死骸が、捨てられ積み上がっていたのである。そのこと自体-

は、下人も承知していた。

―― 都はここ数年、自身や鍛冶や飢饉に見舞われ、荒れ果てていた。そのせいで、朱雀大路にあること羅生門にすら、人も寄り付かず、修理をする者もない。しまいには人目の無-

い事を幸い、身寄りの無い死骸をここへ捨て去る風も横行していたのであった。

下人自身、都を襲った災厄の余波を受けて、主人に暇を出された身であった。途方に暮れたままこの羅生門で雨に降られ、せめて屋根のある場所で休もうと、この楼閣へ続く-

梯子を上った。死骸がいくらあろうと、要は雨さえしのげれば良い、と思えばの事だった。

だが、生きた人間を見かけようなどとは、下人は思いもしていなかったのである・・・

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―― はたして、下人が見た人間とは?生きるために下人に迫られた選択とは?

人外の魔が潜む「羅生門」を舞台に繰り広げる異端創作小説 『羅生門 -evils gate-』

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